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交際・婚約・内縁

内縁の解消とその際の問題点

 私達は、夫婦として10年以上生活していますが、訳あって入籍はしていません。最近になって、夫は、よそに愛人ができ、家をでがちになりました。私はこのようなことがあり、夫との夫婦関係を解消したいと考えています。何が問題になりますか。

 まず、あなたと相手方との関係は内縁関係にあたります。我が国では法律に規定されている届出をすることにより、婚姻が成立します(法律婚主義)。ですから、実質的には夫婦生活を送っていたとしても、婚姻届を出していない限り、婚姻とは扱われません。ただし、夫婦生活の実態がある場合に、ただ婚姻届を出していないというだけで、何らの法的保護を与えないのは、社会実態と合致しませんので、このような場合には内縁として一定の法的保護を図る扱いがなされているのです。ここで、婚姻の解消については、法律上、離婚の制度が設けられています。ですが、これは戸籍上の夫婦としての繋がりを断つためにもうけられているもので、戸籍上の夫婦ではない内縁関係においては離婚という問題は生じません。ですから、内縁関係の解消は、事実上の夫婦生活を解消してしまえば、それで事足りることになります。ただし、正当な理由がないのに内縁を解消した場合にはそれにより相手方に生じた損害を賠償する必要があります。また、内縁生活により生じた財産を清算する財産分与の問題、内縁関係で生じた子の養育費の問題も離婚の場合に準じて発生します。なお、内縁解消についての正当な事由は、離婚原因(民法770条)に準じて考えることができます。あなたの場合、内縁の相手が他に愛人を作って家をでがちになったというのですから、内縁解消については、民法770条1項1号に準じて正当な理由が認められます。また、内縁解消の原因を作った相手方に対しては、慰藉料の請求が可能と思われます。その他、財産分与、未成熟子がいれば養育費の問題が発生します。

執筆日20000830