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夫婦生活・離婚・養育費

騙されて結婚してしまった。

 騙されて結婚してしまいました。婚姻の取消はできますか。それとも離婚するしかないのでしょうか。

 婚姻が成立するのは、婚姻する意思があることが必要です。婚姻意思がない場合は婚姻は無効となります。また、婚姻意思があっても、その意思が強迫や詐欺によってなされたものである場合は、瑕疵ある意思に基づくものであるため、婚姻を取り消すことが出来るとされています(民法747条)。従って、騙されて結婚した場合は、離婚ではなくて婚姻自体を取り消すことが出来ます。婚姻の取消は、家庭裁判所に申し立てをします(新人事訴訟法2条)。ただ、この詐欺・又は強迫による取消の場合は、その取消原因を知ってから3ヶ月以内に申し立てることが必要です。従って、あなたが相手の詐欺を発見してから3ヶ月が経過してしまっているのなら、婚姻の取消はできず、場合によって離婚が認められるだけとなります。また、詐欺を発見した後で婚姻を認めてしまう(追認といいます)と、3ヶ月経過していなくても、婚姻はもはや取消せなくなります(民法747条2項)。取消の性質ですが、婚姻を取り消したとしても、法的には、取消の効力は遡らないことになっています。従って、例えば、婚姻中に双方が共同で取得した財産がある場合は、通常の婚姻と同じように夫婦の共有財産と推定され、婚姻取消後は、離婚の規定に従って財産分与されることになるなど、離婚の規定がそのまま適用されます。ただ、詐欺を働いた方は悪意の受益者として婚姻によって取得した利益がある場合はその全額を相手に返還しなければなりません。一方、騙された方は取消の時点で残っている利益だけを返還すればよいということになります。さらに、騙された方は、騙したほうに、不法行為による損害賠償を請求することが出来ます。

執筆日20041117