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夫婦生活・離婚・養育費

親権者でない親の、子に対する養育費の支払い義務について

 私は未成年の子を引き取って、夫と離婚したいと思っていますが、夫は自分が親権者とならないのであれば、養育費を払わないと言います。そのようなことが許されるのでしょうか。

 親権者でない親にも養育費の負担、支払い義務がありますので、ご主人のような言い分は許されません。養育費は未成熟子の生活費であり、それは親の子に対する生活保持義務(親と同程度の生活を確保する義務)の問題として捉えられています。そもそも親が未成熟子に対して生活を保持すべき義務があるのは、親権のあるなしとは関係がなく、ただ親子関係があることそのものから生じるものです。したがって、離婚後においても両親は親権の有無に関わらずそれぞれの収入などに応じて、未成熟の子の養育費を負担すべき義務があるのです。未成熟の子については、明文の規定がありませんが、高校卒業時(18歳)とされることが多いようです。ここで未成熟の子という言葉がつかわれ、未成年の子とされていないのは、要するに法律上未成年の子であっても例えば、高校を卒業して仕事についている19歳の子などはもはや、経済的には自立している存在と考えられ、親からの扶養を受ける必要がなく、養育費の支払いを受ける必要性がないと考えられるからです。逆に、子が将来大学への進学を希望し、かつ親の資力、学歴、社会的地位などから通常の場合、子が高校卒業以上の高等教育を受ける家庭環境であると判断された場合は、なお未成熟の子として大学進学費用の負担を認めるケースも考えられます。

 執筆日20000830