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夫婦生活・離婚・養育費

離婚に際して、全財産を前妻に渡し、前妻との子供の学費も面倒みた義父が、離婚後に築いた財産は誰が相続するの?

 私の母と再婚した義父は、離婚に際して家を含む全ての財産を前妻に慰謝料として渡し、二人いる子供の一人は大学を卒業させ、もう一人も20になるまで学費生活費の面倒を見ました。代わりに私と母に結婚後できた遺産を相続させると言っていますが、法律的には前の子供二人も相続する権利があると聞きました、それを回避する手段はありませんか?

 親子関係を切断させるような手続は法律上設けられていません。あなたのいう「義父」が、文字通りあなたの実父ではなくまたあなたと養子縁組をしていない場合には、あなた自身には義父を相続する権利はありません。その場合、あなたのお母さんと先方の実子2人が法定相続人となり、あなたは遺贈等により義父の遺産をもらい受けることができるに過ぎません。また、あなたがお父さんの実子或いは養子縁組をしている場合、推定相続人は貴方の言うとおりですが、相続する現存財産全てを法定相続分で分けるわけではありません。当然、生前にした特別の援助(特別受益)は考慮され、例えば生前贈与を受けていたり、自分は大学に行けなかったが、前妻の子は行くことができたなどの場合は、その特別に受けた額を相続財産に加えて相続分の計算をし、それぞれの相続分からその援助を受けた額を控除することになっています。つまり、これにより、貴方は、前妻の子よりも多くの相続財産を得ることができます。しかし貴方も、結婚資金などを負担してもらったりした場合は、貴方自身も特別受益者となります。次に、遺言をしてもらうことです。遺言は例え、遺留分を侵害した内容でも有効ですので、例えば全財産を2分の1ずつ、貴方と、お母さんに相続させるという内容でも構いません。しかし、前妻の子達から、遺留分減殺請求がされるかもしれないという事態は想定しておいてください。この遺留分減殺請求がなければ、確定的に遺言内容どおりの権利を取得します。また、相続放棄は相続開始前は認められませんが、遺留分の放棄は開始前でも家庭裁判所の許可を受ければ可能です。なお、遺留分減殺請求権は、相続の開始及び減殺される遺贈等があたったことを知ったときから1年間、または相続開始から10年を経過すれば、時効により消滅します。

 執筆日20011211