- 破産者の死亡と免責
私の父は自己破産の申立をして破産決定を得ましたが、破産手続中に亡くなってしまいました。破産事件はその後終結しましたが、破産手続きによって弁済できなかった債務がかなり残ってしまいました。そこで、相続人である私が免責の申立をしたいと思いますが、可能でしょうか。 破産者本人が死亡した場合には、免責制度が誠実な破産者本人に対して適用される特典であり、死亡すれば免責の申立をすることはできないというのが多数意見です。したがって、相続人はこれに対する対応として、相続について放棄ないし限定承認をするしか方法がありません。放棄あるいは限定承認をしておかないと、父親の債務(破産手続きにおいて配当により消滅していない残存債務)については貴方が相続人として相続し、貴方が弁済をしなければならなくなります。
執筆日20000830