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交際・婚約・内縁

ストーカーの男性から一方的なプレゼントの代金を請求された!

 ある男性から依頼された弁護士から、プレゼントした品物の代金・貸したお金の返還を請求する内容証明が送られてきました。その男性は、ストーカーのように私につきまとっていて、プレゼントも一方的に持ってきたものですし、お金も借りた覚えはありません。男性は結婚詐欺だと主張していますが、もちろん結婚の約束をしたこともなければ、交際もしていませんでした。男性が送ってきた脅迫めいたメールや電話の録音もあります。私は、どのように対処すればいいでしょうか。

 相手の男性が弁護士を介して請求してきたということを考えると、あなたも弁護士に相談するのが一番よいと思います。知り合いの弁護士がいなければ、お住まいの都道府県の弁護士会に相談してみてください。まず法律相談という形で事情を話しアドバイスを受け、その後、必要ならば代理人を頼むということになるでしょう。あなたも弁護士に相談すべきと申し上げたのは次のような理由によります。(1)あなたの言い分が事実であるならば、あなたは結婚詐欺にあたりませんし、借りてない金を返す必要もなければ、プレゼントについてももらったものですからどう処分しようとあなたの自由です。これが、「あなたの言い分が事実である」としての結論です。言い換えれば、ストーカー的な男性がそれでも自分は騙されたといくら弁護士に相談しても、そもそも弁護士は依頼を受けないのが普通です。それにもかかわらず、現に弁護士が事件として受任したということは、相手の男性があなたの言い分とは全く違うことを話している可能性が強く、弁護士は、男性の言い分を検討した結果、一部でも請求できる可能性があると判断しているということなのです。そうなると、まさに事実のレベルで争いがあり、最終的には裁判までいかなければ決着がつかない可能性もあるケースとも言えるわけです。(2)ここで、普通に考えれば、あなたのメールや電話録音なども含めて、相手の弁護士に送ったり、お金を借りていないことや、結婚の約束どころか交際さえもしていない、ということをあなた自身で相手方弁護士に説明するという手段が浮かびますね。確かに、相手は弁護士ですから、あなたの言い分を聞いて、ある程度客観的に判断しましょうし、その上で、男性の方に分がなければ、彼の方を説得して請求を取り下げてくれる可能性もあるかもしれません。しかし、一方でこれは危険を伴うことです。どこまでつっこんで事情を話すべきかあなた自身では判断が難しいでしょうし、あなたがよいと思ったことでも逆の意味に利用されかねません。ここは、あくまでも相手の依頼を受けた弁護士であることを認識して慎重な対応が求められます。(3)以上のようなことから、冒頭のように、まず弁護士会の法律相談などを利用して、全ての事情をあなたの側の弁護士に話した上で、あなた自身で対応するにしても具体的な対応法については、全ての事情を理解した弁護士のアドバイスを経た上ですることをおすすめするわけです。回答書の作成だけを弁護士にお願いして、とりあえず書面をもって回答して様子を見るというのも一案です。

執筆日20010912