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交際・婚約・内縁

結納までした婚約者が、急に婚約をやめたいと言う。それでも結婚したい!

 私と彼は職場で知り合い、2年ほど交際した後に両親に紹介しあい、今年の3月に結納をすませました。ところが、結婚式を2ヶ月後にひかえて急に、彼が「やっぱり結婚できない」と言い出しました。私は、どうしても彼と結婚したいのです。ものの本によれば「婚約も契約」なのですから、法律で強制できないのですか?

 確かに、婚約も「婚姻の予約」として一種の契約であると考えられます。しかし、不動産の売買などの予約契約と異なり、法律(判決)をもって婚姻届を出すこととか、夫婦として同居しろなどと強制することは、残念ながらできません。理屈をつければ、憲法に「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し(後略)」と書かれており、たとえ結納までして正式に婚約しても、当事者の一方がその気を失えば、いかなる手段を使っても婚姻を成立させることはできず、結局、婚約は性質上はじめから「いつでも解消できる」という宿命にあるのです。したがって、彼にあなたと結婚する気が無くなった以上、裁判をしても結婚を強制することはできません。あなたとしては、彼の婚約破棄に正当な事由がない場合に、婚約不履行として損害賠償請求ができるだけです。内容としては、結納費用・式場のキャンセル料・新居用の家具代・新居の契約料などの、実際に出費した金銭の全部または一部、婚約により仕事を辞めたなどの場合、一定期間の給料相当金額、精神的苦痛に対する慰謝料などが賠償請求の対象となり得ます。あなたの今後の対応ですが、まず彼にどうして急に婚約破棄を言い出したのかその理由を聞きましょう。後で正当事由が争われることがあるかもしれないので、場合によったら会話を録音するなども考えてください。破棄の理由に納得できないときは、迷わず弁護士などに相談してみてください。

執筆日20001209