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夫婦生活・離婚・養育費

別居したら、生活費と慰謝料を請求された。

 夫が自分に対し無関心な態度をとり続けるので家を出たところ、夫から生活費と精神的苦痛による慰謝料の請求を受けました。夫も私も働いており収入は同じくらいです。私は離婚をしたいのですが、夫はやり直したいと言っています。離婚するためには、私が慰謝料を払わなければいけないのでしょうか。

 相手が同意していない場合に、離婚をする場合は、離婚原因という正当な理由が必要です。これは相手方配偶者が不貞な行為をしたり、悪意の遺棄をしたり、3年以上生死が不明であったり、強度の精神病であって回復の見込みがない場合であること、あるいはその他婚姻を継続し難い重大な事由がある場合に限定されています。従って、これに該当する事情がなければ、離婚を法的に主張することが出来ません。また、このような事情がないにも拘わらず、離婚を要求した場合、相手方に対して損害賠償をする必要があります。これが慰謝料です。この慰謝料は、夫から妻に支払われることが多いようですが、妻が離婚原因もなく離婚を要求した場合には、妻が夫に精神的な損害賠償すなわち慰謝料を支払うことが必要になります。但し、慰謝料といっても、その中には財産分与的な意味が含まれていることがあります。財産分与的な意味とは、夫婦で築いてきた共有財産の持分の清算ということと、今後の生活費の支給ということです。この財産分与は損害賠償ではありませんから、夫婦のそれまでの財産形成においてどのような貢献をしてきたかによって、離婚を求めた方に認められることもありますし、離婚によって生活が苦しくなる当事者へ生活のために支払われることもあります。ご相談のケースでは、勿論もっと具体的な事情が判らないと明確ではありませんが、ご夫婦とも働いていて、収入額も同じようなものであれば、この財産分与的な意味合いのものは、互いに支払う必要がないという場合ではないかと想定されます。従って、相手に対する慰謝料だけを支払うことが必要になるものと思われます。なお慰謝料の額は、婚姻期間や収入等の事情によって変わってきますがおおよそ200万から400万が相場というところでしょう。

 執筆日20040602