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夫婦生活・離婚・養育費

離婚の財産分与。夫名義の土地建物の半分を請求したが・・・

 離婚に際し、財産分与として夫名義の土地建物の半分を請求したところ、この土地建物は夫の父が援助して取得したものだから、私に受け取る権利は発生しないといわれました。本当ですか?

 離婚に伴う財産分与には、(1)夫婦が婚姻中に協力して蓄えた財産の清算、(2)離婚後の他方配偶者の扶養、(3)離婚の原因が有責行為による場合の慰藉料としての性格、の三つの意味があるとされています。ご主人の主張は、(1)のみに着目すれば言い分としてはもっともであるということになりますし、(1)の側面が実務上重視されているのも実際のところのようです。しかし、財産分与が上記3つの性格を併せ持つということもまた確かですし、むしろ最終的にはいかなる名目で支払うかよりも、当事者の様々な事情に鑑みて公平とか正義にかなう給付が模索されるのが離婚調停などにおける実務と言えましょう。以上から、ご主人名義の土地建物について、(2)、(3)の面を考慮すれば、父親の援助によるものだから財産分与において一切考慮の対象にならないということは必ずしもないわけです。ただ、ご質問からはわかりませんが、父親の援助は代金の全額なのでしょうか?そうでなく、頭金とか代金の一部で、後はローンとかいうことであれば、(1)の側面からも分与の対象となりえます。ご確認下さい。また、もし父親の全額援助の場合ですと、確かに夫の名義だからといってその半分ということにはなりづらくなります。この場合、夫に今後も生活手段があり、住む家も保障されているという状況とあなたの現在の立場を対比して、扶養的性格を強調したり、あるいはご主人に離婚にいたる責任があるならば、慰謝料的な性格も併せ主張して、結果として、他の財産による分与に、ご主人には土地建物という資産があるということで金銭的に上乗せするということになりましょうか。このように、一口に財産分与といっても一筋縄ではいかないことがお判りいただけると思います。いずれにせよ、ご主人の言い分が100%というわけでは決してないわけですから、悔いのないような結論を出すために、弁護士会の法律相談などで具体的に相談されてはいかがでしょうか。

 執筆日20010830