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個人の自己破産・借金整理

病気で意識のない父親に借金があることがわかった。破産できるか。

 病気で意識のない父親に借金のあることがわかりました。破産できるのでしょうか。

 破産するためには、特別の能力は要らず、行為無能力であっても可能です。しかし、破産手続は、債務を負ってしまった事情などを説明するとか、免責の際には裁判所の審尋もあります。従って、本人の意識がないのであれば、本人からの申し立ては事実上出来ないでしょう。しかし、その場合には、本人について成年後見開始の審判で成年後見人を家庭裁判所に選任して貰うことで、その成年後見人が法定代理人として破産申立をすることができます。破産しただけでは債務は免除されず、免責の手続きが必要となります。このような事案の場合には、おそらく免責調査のために破産管財人が選任されます。管財人が、免責不許可事由があったかどうかを調査し、裁判所に対して意見を述べます。裁判所は管財人の意見を参考に免責決定をするかどうかを決めます。仮に父親が免責されたとしても、例えば、保証人の債務は免責されませんので、本人以外には問題は法的には波及しないことになります。もし父親に家屋敷があったとしても、破産を申し立てればそれらは全て破産財団として債権者に分配されてしまいますから、破産してもしなくても財産は残りません。さらに言えば、破産手続きをせず、そのまま父親が亡くなった場合には、債務が相続されてしまうことになりますが、相続人としては、相続放棄をすることにより、その債務を引き継ぐことはありません。お父様の病状等も考慮の上、破産をすべきかどうかを判断されてはいかがでしょうか。

 執筆日20040318