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個人の自己破産・借金整理

借家人が個人破産して、行方不明になった。

 賃貸アパートを経営しております。家賃を数ヶ月滞納していた借家人が個人破産を申し立てたらしく、裁判所から通知がありましたが本人は行方不明です。部屋には家財道具が残されたままです。私も忙しかったため、破産の手続きがどうなっているのか確認しないまま、何ヶ月か経過しています。残された家財道具を処分して、別の人に部屋を貸したいのですが、どうしたらよいでしょうか?また、処分に費用がかかる場合、本人に請求できましょうか?

 破産手続きの経過を確認していないということですが、すべての破産手続(債務者の免責手続きも含めて)が終了するには、早くても2、3ヶ月はかかるものです。事件がまだ継続中であれば、破産管財人が選任されているかどうかにより対応が異なります。裁判所の通知に「破産管財人」の表示があるでしょうか。破産管財人が選任されている場合は、破産管財人が破産者(この場合は、あなたの借家人)の財産管理を行いますので、破産管財人に連絡を取り、賃貸借契約の解約、借家の明け渡し等の交渉を行うことになります。裁判所の通知に「同時廃止」と書かれていた場合は、破産管財人は選任されません。「同時廃止」というのは、破産者には換価できる財産がなく破産決定と同時に債権者に対する配当を行わないことを裁判所が決定したという意味です。この場合は、事件を管轄している裁判所の担当部に連絡をして事情を説明し、破産者に申立代理人(弁護士)がついているかどうかを教えてもらい、申立代理人がいる場合は、その弁護士に連絡をして賃貸借契約の解約・明け渡しの交渉を行います。もし事件が終結していて時間が経ってしまっている場合は、裁判所の記録が担当部から保管庫に移ってしまい、事件の情報を得るためには記録の閲覧をしなければならなくなります。あなたは利害関係人(債権者)になりますので、記録の閲覧ができます(方法は裁判所の記録閲覧係でお聞きください)。記録の中で破産者の現住所が判明した場合には、その住所宛に賃貸借契約の解約・明渡を求める通知書を内容証明郵便で郵送します。この郵便が届かない場合は、賃貸借契約解約のための「意思表示の公示送達」手続を簡易裁判所で行うことになりますが、この手続は、破産者の住民登録地や戸籍等の調査が必要になりますので、弁護士に依頼されることをお勧めします。まずは、裁判所で事件の経過を確認し、事件終了後時間が経っている場合は弁護士会などの法律相談等で一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

 執筆日20031009