自己破産とは、「破産」のうち債務者自身が申立てる場合を言います。「破産」とは、債務者のもっている財産では借金の返済が不可能になってしまった場合に、裁判所が手続に関与して、債務者のもっている財産を債権者間で平等・公平に分配して、債務を整理する手続です。例えばあなたに1000万円の借金があるとしましょう。しかし、あなたには月15万円の収入しかなく、また、見るべき財産もない。これでは、借金を全額返済することは不可能ですから(これを支払不能といいます)、借金を回収できる債権者と回収しきれない債権者が生じるという不平等が生じてしまいますし、債務者も一生借金を返済しつづけなければならないことになってしまいます。そこで、このような場合に、債務者の全財産を債権者間に平等に分配すると同時に、債務者を支払い義務から解放して新たな人生をスタートさせる(これを免責といいます)というのが破産制度です。そして、この破産手続は、債権者、債権者に準じる者、あるいは債務者が裁判所に対して破産の申立をすることによって開始されます。自己破産とはこのうち債務者の申立によって破産手続が開始される場合をいいます。これに対して、債権者が申立をする場合を債権者破産といいます。カードの使いすぎによって借金がかさんでしまって破産手続が行われるような場合は、ほとんどが自己破産です。

　執筆日20000101