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法人破産・再生・債務整理

DIP制とは?

 民事再生手続が開始されると、管財人が選任されるのですか。

 民事再生手続では、基本的に従来の経営陣がそのまま経営を続けます。この点が、同じ債務者の再建を図る手続である会社更生手続とは大きく異なるところです。ただし、経営者が非常に悪質な場合には、会社更生手続と同様に管財人が選任され、管財人が日々の業務に当たることになります。従来の経営陣が引き続き業務を執行する(経営を行う)という方法は、DPI(Debtor-in-Possession)制度と呼ばれ、アメリカで行われている制度を参考にしたと言われています。DPI制度で誤解されているのは、「そのまま経営を続ける」というのが、従来の経営陣全員が居座ることではないということです。そもそもDPI制度が採用された背景には、それまで債務者(会社)の状況を全く知らなかった管財人にすべての業務権限が移ると、管財人が会社の状況を把握するまでに時間がかかり、結局再建の機会を逃すことにもなりかねないという危険性があり、会社の業務にあたってきた経営陣にそのまま経営をまかせたほうが、かえって再建に資するのではないかと考えられたからです。しかし、従来の経営陣のなかにふさわしくない人がいれば、その人には退陣してもらわなければ、再建という目的が達成されなくなってしまうでしょう。そごうグループの場合でも、経営陣の大幅な入れ替えがあったのは、ご承知のとおりです。

 執筆日20010221