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法人破産・再生・債務整理

民事再生と未払給与・退職金

 会社が民事再生を申し立てましたが、先月分の給与がまだ支払われていません。支払ってもらえますか。また、会社を退職するとしたら、退職金はもらえますか。

 給与については全額、退職金については、一部は支払ってもらえるでしょう。雇用者の給与には、民法上、一般先取特権が発生し、給与を支払わなければいけない会社(債務者)の総財産から優先的に弁済を受けられます。退職金については、判例で給与の後払い的性格を有する部分については、給与と同様に優先的に弁済を受けられると判断されています。さて、民事再生法122条では、一般先取特権など一般の債権者より優先的に弁済を受けられる権利を有する債権者は、民事再生手続に拘束されることなく、自由に弁済を受けられると規定しています。給与や退職金といった労働債権も前記のように優先債権ですから、再生手続外で支払ってもらえるということです。ただし、社内預金については、給与の一部を会社に預けるという一種の貸出とみなされ、一般再生債権として再生手続のなかで配当されることになります。同じ貸出であっても、金融機関からのものに比べれば、社内預金は微々たるものです。このような少額のものについては、再生手続開始後でも通常、弁済を受けることができるようです。

 執筆日20010221